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人の味覚は±25℃を好ましく感じる
人間の味覚の感じ方は温度によって、大きく変わるということをご存知でしょうか?
人間は舌で刺激を受けとり、脳で味を感じています。
脳で感じる味は自身の体温から±25℃の範囲のものを好ましく感じるようです。
しかし、味のなかには口に含むさいの温度によって感じにくくなったりするものもあるとのこと。
ドイツの心理学者ヘニングが提唱した4基本味説によれば、苦味、酸味、甘味、塩味の4つで全ての味は成り立つとされ、ここに池田さんが発見した旨味を追加したものが5基本味として支持されています。
5基本味の感じ方についてはおおよそ以下の表の通りです。
低音 | 体温 | 高音 | |
苦味 | 強く感じる | 強く感じる | 弱く感じる |
酸味 | 温度による変化なし | ||
甘味 | 弱く感じる | 強く感じる | 弱く感じる |
塩味 | 強く感じる | 弱く感じる | |
旨味 | 弱く感じる | 弱く感じる |
蒸らし時の温度で味が変わる
コーヒーをペーパードリップで淹れる際、基本的には一投目で蒸らしを行うかと思います。
では、この蒸らしには実際にどのような意味があるのでしょうか?
私は大きく2つの意味があると考えています。
・お湯とコーヒー粉を馴染ませる
→粉全体を濡らすことにより、お湯が均一に通りやすくなる。
粉表面にある気体と水分を置き換えるイメージです。
・ドリッパー内のコーヒー粉の温度を上げる
→コーヒー粉全体の温度が低いまま抽出してしまうと成分がうまく抽出されずに美味しくないコーヒーになる。
以上の2点です。
冷凍した豆の方が均一に挽ける
近年イギリスのバース大学と地元のコーヒーショップが行なった研究により冷凍したコーヒー豆の方が均一にコーヒー豆を挽けることがわかっています。
ここで気になるのは挽いた粉を常温に戻すか、それとも戻さないかという点についてです。
“冷凍後挽いたコーヒー粉は常温に戻さない”というのが個人的な見解になります。
理由としては2つあります。
・常温に戻す際にコーヒーの香りが飛ぶ
・結露が気になる
以上の2点です。
コーヒー粉を挽いたあと常温に戻す際に香りが飛ぶ?
コーヒー豆を冷凍保存する際の問題点としてよく耳にするのが、フレーバーが物足りないという話です。
原因について、まず初めに考えられるのが冷凍保存している際に、フレーバーが飛んでしまっているという点ですが、
・密封したアルミ袋に入れて保存したため空気は逃げていない。
・同様にして、常温で保存したものはしっかりとしたフレーバーがある。
以上の2つの理由により考えづらいです。
次に考えられるのは、挽いた後常温に戻す際に香りが飛んでしまっているということです。
そんな短時間で香りが飛ぶのか?と思うかもしれませんが、コーヒーの香りは爆発的に広がっていきます。
挽いた瞬間部屋中に広まるというのは、裏を返せばそれだけ香りが逃げているという意味でもあります。
コーヒー粉の表面につく結露が気になる
焙煎後のコーヒー豆は乾燥しているので、カチンコチンに凍るということはありません。
(コーヒー豆内部にある若干の水分は凍ります)
しかし一度冷凍庫から出せば、冷やしたコーヒー豆に空気中の水分が反応して凝縮が起こります。
例えば暑い夏場に自動販売機で、冷たい水を買うと表面に一気に水が結露します。
同じことが冷凍庫から出したコーヒー豆にも起こるというわけです。
「仮に濡れてもすぐにお湯で濡らすから問題ないのでは?」
まあ確かにその通りですね(笑)
長期的な保存の話であれば別ですが、すぐにお湯で濡らすことになるのに結露の何が問題なのか、現状の私では説明ができかねます。
ですので、理由として上げはしましたが感覚的なお話になります。
結露で湿ってしまったコーヒーは、苦味や酸味などのコーヒーの良さが上手く出てこないように感じました。
まとめ ドリップ時の適温について
コーヒを淹れる側の意見としてドリップ時の適温については、コーヒー豆の味を引き出すという観点から、おおよそ84℃〜94℃辺りが適温です。
では、コーヒーを飲む側から考えてみるといかがでしょうか。
前半で述べた通り、口にする際好ましい温度は体温から±25℃の範囲です。
私の今の体温が37.0℃ありましたので、12℃〜62℃のコーヒーが私にとっての適温にということになります。
今回は淹れてからじっくりと楽しむ予定ですので、65℃辺りを狙って淹れていきます。
ちなみに使用する豆はインドネシア ワハナ ロングベリーです。
今回のレシピでは豆12gに対して、湯を170ml程注いで140ml抽出していきます。
手始めに普段から淹れている90.0℃から試したところ、65.5℃になりました。
いきなり、ほぼジャストの温度できましたね。
もちろん、普段から一番美味しいと感じる温度で調整はしていましたが。
ということで、今回の結論としてドリップ時の適温はおおよそ90℃ということになりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。