HARIO v60で淹れる1分メソッド

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今回は新しい抽出方法について書いていきたいと思います。

皆さまは抽出にどれほどの時間を掛けていますか?
2分30秒?3分?
フレンチプレスなら4分ほどでしょうか?
そもそも計ってないよ!という方もいらっしゃるでしょう。

まずは誤解される事のないように、始めに立場表明をしておこうと思いますが、私はどれも間違っていないと思っています。
休日の朝、何も考えず淹れたコーヒーが美味しいことは得てして起こりうるものでありますし、職場で淹れる洗練されたレシピを忠実に再現したコーヒーが美味しいのは天気予報が当たるほどに当然のことです。

しかし、中にはピンとこない、味にムラがある。
仕事が忙しくてゆっくり淹れる時間がないといった方もいらっしゃるかと思います。
そんな方々に紹介したいのが、今回の1分メソッドです。

Contents

レシピと抽出方法

コーヒー豆 12gを中細挽き、92℃のお湯で140ml抽出していきます。
今回の豆は最近どハマりしているブラジル サントスを用意しました。かなり流通している豆で安価かつ美味しくバランスの良い豆です!

ハイローストに焙煎されたブラジル サントス。香り高くムラのない焙煎。

蒸らし30秒後、続けて一投目を1分で140ml落としきります。
なので、実は抽出に掛かる時間は計 1分30秒ですね。
呼び辛いので、1分メソッドとしました。ネーミング詐欺すいません。
蒸らしを除いた1分で抽出、1分メソッドとお呼びください。

特徴とメリットの話

通常のドリップで淹れたコーヒーカスと1分メソッドでドリップしたコーヒーカスの比較画像。

特徴としては、以下2点です。

①深いすり鉢状のコーヒーカス
②ムラのない仕上がり

なぜ、深いすり鉢状のコーヒーカスが出来上がるのでしょうか?
その理由は、素早い抽出にあります。

滝つぼをイメージしてみてください。
高い位置から落ちる大きな運動エネルギーを持った水が深い滝つぼを形成するように、
素早い抽出を行うための大きな運動エネルギーをもったお湯は、深いすり鉢状のコーヒーカスを形成します。

そして、従来のオーソドックスな抽出方法との違いは、この深いすり鉢状のコーヒーカスに表れています。

従来のオーソドックスな抽出方法ではどうしても、お湯が通りよく抽出された部分と、お湯とあまり触れていない部分が出てきます。
私はこのお湯との接触時間の差が、抽出毎に出てくる味のムラの原因ではないかと考えました。
そして今回の1分メソッドでは、その接触時間の差が限りなく小さいです。
そのため、ムラがなく安定した抽出が可能になるわけです。

味の違いについて

通常ドリップと1分メソッドでのドリップを実際に飲み比べている際の写真。色に違いは無いように見える。
左 通常ドリップ 右 1分メソッド 色に大きな違いは見られません。

心配になってくるのは、やはり味の違いについてですね。
結果としては、劇的に美味しくなる!とは言いませんが、思った程不味くもないというものでした。

何が早い抽出を可能にしているのか?

この秘密は恐らく浸漬法の、中でもサイフォンに近い動きをしていることにあるかと考えます。
浸漬法?何それ?
という方のためにざっくりと説明をしておきます。

浸漬法とはコーヒー粉をお湯に浸したのちに、粉と液体を分離する方法で、通常はサイフォンやプレスなどが、これに当たります。
一方、HARIO v60などで淹れるペーパードリップは透過法にあたり、コーヒー粉にお湯を注ぎ、そのまま通過させていきます。

ここで注目して頂きたいのが、サイフォンでの抽出速度です。
サイフォンの抽出行程は以下の通りです。

・フラスコにろうとを指し、お湯が上がるのを待つ。
・お湯が上がってから粉をいれ、第一攪拌
・15〜30秒抽出
・第二攪拌後、火から離しお湯を落とす。

ここまでで、おおよそ1〜2分前後になります。早いですね。
同じ浸漬法に分類されるメリタ式やプレスとの違いは攪拌にあります。つまり攪拌によって、コーヒー粉とお湯はよく馴染み、素早い抽出が可能になるわけです。

そして今回の1分メソッドでは、1分以内に落とすために太く注いだお湯が、攪拌の役割を担うわけです。

結論

いかがでしたでしょうか?

それらしくまとめてみましたが、ツッコミどころも多く、反論否定の余地を多く残した抽出メソッドですが、実際に淹れてみると意外とイケます。

私の個人的スタンスとして、抽出ひいては、コーヒーは自由なものだと考えています。

正しい淹れ方が、美味しい淹れ方だとは限りません。
世の中、渋味のある収斂性の強いコーヒーを好む方がいても、決して間違いではないわけです。
権威のある方や、飲食店では許されないことも、自宅なら許されるわけであって、不味いと言われても焙煎したての豆は飲みたくなるし、特別感があるわけであります。

そういった自由さが広がりを持って、集合知となり、社会に見出され新たなコーヒーウェーブが生まれるのではないかと思っています。

そういうことで、たまには遊び心を持ったドリップを楽しんで見てはいかがでしょうか。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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