皆さん必ず一度は飲んだことがあると言ってもいいほど世界中に出回っている“ブラジル産のコーヒー”に着目してみました。
とにかくすごいです。ぜひご覧ください↓
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コーヒー生産大国|ブラジル
150年以上に渡ってコーヒー生産量、輸出量ともに世界第1位を誇るのがブラジルになります。
なんと国内市場の約30%を占めているのだとか。
最近ではさらに国内の消費量もアメリカに次ぐ世界第2位にまで上がっているようです。
これは元々は高品質なコーヒー豆は全て他国に輸出し、国内には低品質なコーヒー豆しか出回らなかったのに対し、今では経済成長の影響で国内にも高品質なコーヒー豆が出回るようになったことが大きいと考えられています。
なぜここまでブラジルのコーヒー生産が盛んなのでしょうか?
ブラジルの位置に注目すると南米大陸の大半を占めており、*コーヒーベルト上に位置しています。
*コーヒーベルトとは以下のコーヒー栽培に非常に適した条件を満たす地域を指す。
・年間降水量1500mm以上あること
・赤道付近の温暖な気候
・平均気温が20度前後あり、昼夜に温度差がある
・土が有機物を多く含む水はけの良い肥沃土
・霜が降りない地域
これらの条件がそろっていることでブラジルではバランスのとれた上質なコーヒー豆が生産されているというわけです。
他にもブラジルの国土は日本の約23倍にも及ぶ広さであったり、位置する場所ごとに異なった地帯がコーヒーの個性を生み出しています。
その異なる地帯とは、
北部 熱帯性雨林
中部 亜熱帯地帯
南部 温帯地帯
となっています。
これほど色んな環境下にあるブラジルの中でも生産量の半分近くをおさめている地域があります。
ブラジルの主な生産地
この中でもブラジルの生産量を大きく支えているのは“ミナス・ジェライス州”、“サンパウロ州”、“パラス州”の3州になります。
特にミナス・ジェライス州は国内生産量のおよそ半数を占めているほどです。
ではミナス・ジェライス州とはどんな所なのでしょうか?
土地は日本の約1.5倍の広さとかなり広いのがわかります。
ミナス・ジェライス州の中でも有名な地域は
中央部 セラード地域
南部 スールデミナス地域
になります。
セラード地域はかなり広い土地のため大規模農園が機械を使って一気に収穫する栽培方法を採用しています。
一方スールデミナス地域はというと、山岳地帯のため中小規模が多く機械ではなく手作業での収穫を行っています。
また標高が高いことから昼夜の温暖差によって締まりのあるコーヒーチェリーが育ちます。
上の地図で見るとブラジルのコーヒー生産を支えているのは南部に集まっていることがわかります。
ブラジルの精製について
ブラジルではおよそ8割以上が“ナチュラル精製”にて生豆の取り出し、乾燥を行っています。
どのような方法なのでしょうか?
まずナチュラル精製方法についてご紹介します。
手順としましては、
・収穫したコーヒーチェリーを一週間ほど天日干しにて乾燥します。
・コーヒーチェリーの水分含有量が20%以下まで乾燥したら、黒く変色したものを脱殻(だっかく)して中から生豆を取り出す。
・取り出したコーヒーチェリーを再び水分含有量12%前後になるまで乾燥させたら完了です。
ちなみに精製が終わった生豆は順に出荷される流れとなります。
この工程の始めのコーヒーチェリーを乾燥する際、ネットやコンクリートの上に広げて行われることが多いです。
広げたコーヒーチェリーは上の面と下の面で乾燥のスピードが異なってしまうため定期的にコーヒーチェリーをひっくり返す作業が必要となります。
これはネットとコンクリートの場合とで回数が変わり、
ネットの場合⇒1日2~3回
コンクリートの場合⇒1日5~6回
ひっくり返す必要があります。(およその回数になり誤差が生じます。)
この精製方法のメリットは、
・比較的甘味のある風味になる
・しっかり乾燥を行っているためボディの強い味わいになる
といったコーヒーの個性を生み出す点にあります。
しかしデメリットとして、
・コーヒーチェリーを広げるだけの広い土地が必要
・毎日何度もコーヒーチェリーをひっくり返す作業を行う労力がいる
・天日干しの際に雨が降ると豆にカビが生えたり発酵してしまう
・異物混入の可能性も高まる(シルバースキンが残ったままなど)
などがあげられます。
一見デメリットが多くみられますが、この方法によって美味しいコーヒーができるとなると惜しむことができない方法ですよね。
昔ながらの伝統を大切にしている国で採用されていることが多いです。
ブラジルの等級
スクリーン、欠点豆の数、香りや味で、最高のNo.2〜No.8 まで7段階で分けられ、ブラジルにはNo. 1がありません。
農作物である以上、欠点がないのはあり得ないというブラジルの考え方からNo.1がないそうです。
もう少し詳しく見ていきましょう。
スクリーンサイズ(ここからはSと省略します)17 (6.75mm)〜S18(7mm)
+
欠点数(300g中) 0〜11個
=No.2
S14(5.5mm)〜S16(6.5mm)
+
欠点数 12〜36個
=No.4/5
さらにブラジルではカップテストによって評価することもあります。
ソフト=異味異臭がなく、やわらかい印象
ハード=青臭いような酸味や渋みがあり、舌触りが悪い
リオイ=薬品のようなにおいをもつ
リオ=リオイよりもさらに薬品のようなにおいをもつ
他国ではめずらしい3つの評価方法を用いてグレード分けされています。
生豆の主な特徴
<生豆の特徴>
・やや緑がかった色
・厚みはない
・ばらつきの少ないサイズ
またブラジルの生豆と言えば欠点豆が多く含まれている傾向にあります。
この原因の一つとして先ほどご紹介した精製方法にあります。
しかし全体的にみるとサイズに目立ったばらつきはなく、厚みも無いので焙煎の際に火の通りが良く、初心者でも簡単に焼くことができます。
焙煎中は他の豆に比べてチャフ(薄い皮)が多くでるので終わった後の掃除が大変かもしれません・・・。
ブラジル産のおすすめのコーヒー
ブラジル産のコーヒー豆は数多く存在しますがその中でも私がぜひ一度は飲んでみて損はない!といったコーヒー豆をいくつかご紹介させていただきます。
ブラジル セルトン農園 100年樹
こちらのコーヒーは個人的に1,2を争うほどおすすめしたいコーヒー豆となります。
というのも口に含んだ時の鼻から抜けるフルーティな香りと、爽やかな果実を感じる酸味が心地よくとてもリラックスする風味となっています。
もちろん酸味だけでなく、柔らかな甘味やボディも魅力的です。
<味の5段階評価>
苦味 ★★★☆☆
酸味 ★★★★☆
甘み ★★★★☆
コク ★★★★☆
香り ★★★★☆
<おすすめのいれ方>
コーヒー豆 18g
抽出量 300ml
抽出時間 4:00
湯温 93℃
抽出器具 コーヒープレス
これほど香りや風味に優れたコーヒー豆はハンドドリップよりもコーヒープレスで、抽出に左右されないコーヒー豆本来の味を引き出した方がお得な感じがします。
ブラジル ショコラ サントアントニオ
ブラジル産のコーヒーは味のバランスがとれている傾向にありますが、このコーヒーはまさにバランスの良さが際立っています。
特に名前からも連想されるように重厚感のある甘味が特徴となります。
焙煎からする方は“中煎り”がおすすめの焙煎度合いです。
<味の5段階評価>
酸味★★★☆☆
苦味★★★☆☆
甘味★★★★☆
コク★★★★☆
香り★★★☆☆
<おすすめのいれ方>
コーヒー豆 13g
抽出量 230ml
抽出時間 2:26
湯温 82℃
抽出器具 Kalita ウェーブドリッパー
バウー農園 トミオフクダ ドライオンツリー
ドライオンツリーとは、コーヒーチェリーを樹上で完熟させたものです。
樹の栄養をコーヒー豆がそのまま持っていくため、甘みが強く、深い味わいを持った豆になります。
トミオフクダ ドライオンツリーはムンド・ノーボといった品種になります。
ムンド・ノーボとはブルボン種とスマトラ種を交配して生まれた品種で、アラビカ種の中では珍しく病害虫に強い品種になります。
ムンド・ノーボ由来のすっきりした酸味とクセのない味わいに、トミオフクダ氏のこだわりが合わさり非常に美味しいコーヒーです。
<おすすめのいれ方>
コーヒー豆 18g
抽出量 280ml
抽出時間 3:04
湯温 84℃
抽出器具 ハリオv60
一口飲むととにかく甘味を感じスッキリとした飲み口で朝の目覚めの1杯にとてもおすすめです!
ブラジル イエローブルボン
ローソンから出ているイエローブルボンブレンドで有名な豆ですね。
ブルボン種の一種で完熟するとコーヒーチェリーが黄色になるユニークな品種です。
濃厚な甘味とバランスの取れた味わいが特徴的で、ブレンドせずにストレートで飲むのが個人的にオススメです。
ローソンのイエローブルボンレビュー記事もあります。
是非、一読ください。