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知識は環境よりも学ぶ意志が重要
コーヒーについてもっと詳しく知りたいけど、どこでどんな風に知識を取り入れていいのか、わからないと困ったことがありませんか?
コーヒーについて専門的に学ぶのであれば、一番は良いのはしっかりとしたコーヒー関連の職につき現場で直接学ぶことですが、
趣味の延長線上であればそうはいきませんよね。
もっとも私は元々某チェーン店のカフェで働いていましたが、残念なことにそこだけでは十分な知識を得ることができませんでした。
というのも、大抵の場合大手チェーン店のカフェでは大した新人教育がないためです。
生産国各国の状況、その年のCOE、スペシャリティコーヒーに関して、サイフォン抽出の最先端など、誰も目を通さない社内資料はかなり充実していたものの一従業員を本格的に育てるつもりはないようで、接客さえしてくれれば良いといった状態でした。
(社内資料は確認の時間がないうえに、持ち出し厳禁。実質確認不可)
実際に現場で重視されるのはコーヒーに対する知識よりコミュニケーション能力でしたので、そういった判断もあながち間違っていたとは思いません。
それでも知識が欲しかった私は本屋や図書館などでコーヒーに関する本を手に取り、コーヒーについての知識を得ることにしました。
結論から申し上げますと、これら多くの本は私のコーヒーライフにとって非常に実りあるものでした。
しかし、本の中には首を傾げてしまうような残念な本があったのも事実です。
そこで今回はハズレ本を引かないためにも、
私が読んできた本の中で、ぜひ皆さんにおすすめしたい本を厳選しましたので参考にしてください。
コーヒーの基礎知識をつけるならこの三冊
まだハンドドリップを始めたばかり、もしくは最近コーヒーに興味を持ち始めた方にはコーヒーが出来るまでのおおよその流れや、抽出器具ごとの特徴の違い、基本となる淹れ方がわかるような本をおすすめ致します。
私が個人的に読んだものの中でもわかりやすかった本が以下の三冊になります↓
『コーヒーは楽しい!』
タイトルにあるように、この本はコーヒーの楽しさを感じさせる本で、コーヒーについての知識をあまり持たない初心者の方にぜひおすすめしたい一冊になります。
本の中身も表紙の印象を裏切らないイラスト付きでわかりやすい教科書といった感じで、コーヒーの栽培方法から抽出の方法まで一つずつ丁寧に記されています。
しかし全体的な知識量としては、これからコーヒーを始めるという初心者の方向けで、すでに多くの知識を持っている人には少し物足りないと感じてしまうかもしれません。
また最後のほうには生産国ごとの特徴についても触れてあるので、飲んだ経験のないコーヒー豆選びにも役立ちます。
全ページカラーのイラスト付きなので普段本を読まない人でも楽しく最後まで読めるかと思われます。
『ワールドバリスタチャンピオンが教える世界一美味しいコーヒーの淹れ方』
こちらの本はアジア人で初めて「ワールド バリスタ チャンピオンシップ」で優勝した井崎英典さんが書いた一冊です。
コーヒーの成り立ちから精製、焙煎、抽出、コーヒーの産地の特徴など、さまざまな内容が詰まった本になっています。
特にドリップの方法についてはマニュアル化されたような淹れ方だけでなく、秒数ごとの変化なども押さえており、かなり読み応えがありました。
ただ全体的に基本的な知識を中心とした内容のため、先ほどの本同様ある程度コーヒーについて知識のある方には少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
ですが、ワールドバリスタチャンピオンが書いた本となれば、コーヒーについて勉強したい方にはまさに必読といえる一冊でしょう。
『珈琲完全バイブル』
世界でも活躍するCOE審査員である丸山健太郎が書いた一冊です。
丸山氏は国際的カッパーとして海外でも有名な方で、マイケル・ワイスマンの著書『スペシャリティコーヒー物語』では、どの審査会にも居る人物として書かれているほどです。
そんな丸山氏が手掛ける『珈琲完全バイブル』は、コーヒーの淹れ方から豆の種類や選び方、自宅焙煎の方法までが書かれており、初心者だけではなく、あらゆる方が楽しめる一冊になっています。
2021年5月には新たに情報が加わった最新版も発売されました。
こちらも最新情報満載で読みごたえのある内容となっています。
コーヒーの抽出にも慣れてきた方におすすめの本
『COFFEE BOOK』
産地ごとのコーヒーの特徴やアレンジコーヒーについて詳しく書いてある本で、普通のペーパードリップがマンネリ化しだした方やインスタ映えを積極的に狙っていくスタンスの方にオススメの一冊。
サイズが大きくボリュームがありますがイラストも多く読みやすいため、読書が苦手な方も安心です。
基本的な知識もこの一冊で学べるので、何冊も本を読みたくない方は『COFFEE BOOK』を最初の一冊にしてみてもいいかもしれません。
『ビジュアル スペシャルティコーヒー 大辞典』
コーヒーについての基礎知識がついてきたら、主流なコーヒー生産国の土地の特徴やそこからなるコーヒー豆の風味の違いなども押さえておくといいかと思われます。
この本は初めのほうにコーヒー豆の成り立ちや抽出などについて触れられていますが、中盤からは生産国ごとの特徴がしっかりと記載されています。
生産国ごとのティスティングノートから栽培される主な品種、収穫時期、コーヒーの歴史など、
内容が非常に濃いので国ごとの特徴はこの本だけでもかなりの知識が身につきます。
『田口護のスペシャルティコーヒー大全』
抽出にある程度慣れてくると自然と自分で焙煎をしてみたくなるなりませんか?
私はいつも自家焙煎のお店に買いに行っていましたが、地元でお店がそんなに多くはなかったこともあり限られた種類のコーヒー豆しか飲んでいませんでした。
知識が増えるごとにこのコーヒーを飲んでみたいといった欲がでてきたため自然と自分で焙煎を始めていました。
焙煎をしようと道具をそろえたところまでは良かったのですが、手取り足取りが全然わからないことに気づきました。
こちらの本の著者 田口護さんは、東京にある自家焙煎珈琲屋「カフェ・バッハ」の店主でありながらも、現地のコーヒー農園へ訪れて指導を行ったりとコーヒー関する深い知識と経験をお持ちの方です。
田口氏は他にも様々な本を出版されていますが、中でもこのスペシャルティコーヒー大全は私が個人的に何度も読み返してきた愛読書です。
この本の良さは内容の濃さにあります。
焙煎方法や焙煎度合いの説明はもちろんのこと、具体的なコーヒー豆ごとの焙煎時間における成分変化や、風味の違い、ベストな焙煎度合いはどのくらいかなど、田口氏の長い経験に基づく貴重な情報が書かれており、非常に参考になる内容となっています。
私は普段一度読んだ本を読み返すことを中々しないのですが、この本は興味深い話が多く、特に焙煎を自分でするようになってからは、より勉強になる本でした。
色んな産地のコーヒー豆1つ1つの豆の特徴からベストな焙煎度合いまでの紹介やフレーバーの違い、抽出における注意点など、読み応えが十分にある本ですので、ぜひ一度お読みになってください。
コーヒーについて科学的観点から学べる本
今まで紹介した本は結果美味しいコーヒーを淹れるための知識を目的とした本でしたが、次に紹介するのは抽出や焙煎を科学的な面で説明した一冊になります。
コーヒーについて学びたいなら、必ず読むべき一冊です。
『コーヒーの科学』
この本の著者、旦部幸博氏は主に微生物や遺伝などを専門とした研究者で、これまでにもコーヒーについての本を何冊か出版しています。
今回紹介する『コーヒーの科学』では、
焙煎によって生まれる成分やコーヒーに含まれる成分を科学的に説明したり、
ドリップ時の成分の動きをモデル化して説明したりと内容としては少し難しいですが、
グラフや表、イラストがこまめに入っているので、かなり見やすい一冊となっております。
『コーヒーの科学』を読んでからはさらにコーヒーの奥深さを感じるようなりました。
他にもコーヒーを飲むことで体への影響についても記されています。
健康への影響については様々な意見が飛び交っているため何が本当なのか気になる方も少なくないと思われます。
一度読めばコーヒーについての考え方が変わること間違いなしです。
コーヒーについて学べるのは本だけではない
ここまでコーヒーについて勉強になる本を紹介してきましたが、あくまでも本で得られるのは基礎的な知識です。
知識と経験はべつものと言われておりますので、実際にコーヒーを淹れてみたり、飲んでみたりして、学んだことを肌で感じていくことが重要だと私は考えます。
例えば実際にペーパードリップや焙煎を行ってみるとなれば、本の知識だけでは分かりかねる部分が少なからず出てくると思います。
自分がどこに疑問を覚え、戸惑うのかは行動してみなければわからないのです。
しっかりと勉強していれば案外イメージ通りに進むかもしれませんが、
実際に行ってみることは非常に重要です。
また百聞は一見にしかずといった言葉があるように、コーヒーの抽出や焙煎の様子をYouTubeにある動画などで学ぶのもおすすめです。
抽出している様子は言葉で聞くよりも目で見た方が断然わかりやすいですし、ペーパードリップによるコーヒーの動きや変化も把握することができます。
たくさんの人のドリップ動画や実際にドリップしている様子を見に行くと学ぶことが多くあるので時間があればぜひ参考にしてみてください。