水の硬度によってコーヒーの風味が違う?軟水と硬水で飲み比べてみた

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みなさんは自宅でコーヒーを淹れる際、
水にこだわって淹れることはありますか?

水の種類によってコーヒーの風味に変化は現れるのでしょうか?
そうであるならば何を基準に水選びを行えばよいのでしょうか?

Contents

水にも違いがある?

ひとくちに水と言っても
大きく分けると2つの種類に分類することができます。

軟水」 と 「硬水

これらは
1000ml中に溶けているミネラル成分(カルシウムやマグネシウム)の量=“硬度
によって分けられます。

この分類の基準は国によっても異なりますが、日本ではWHO(世界保健機関)の基準に沿って、
軟水⇨120mg/l未満
硬水⇨120mg/l以上

とされています。

がしかし、一般的には
硬度0〜100⇨軟水、101〜300⇨中硬水、301〜⇨硬水
と表記されることが多いです。

水の硬度で変わるコーヒーの風味とは?

コーヒーを淹れる際には、

「軟水」の場合
⇨ミネラル成分が少ないためクセがなくさらっとした味わい
 コーヒーの風味そのものを楽しむことができます

「硬水」の場合
⇨ミネラル成分が多く独特のクセを持つため、
 コーヒーの成分と反応して苦味が強く出る傾向にあります。
 しかし、ミネラルに反応しにくい深煎りのコーヒー豆や
 エスプレッソコーヒーであれば逆にのどごしが出て
 味に深みが出ます。

と言われています。

ミネラル成分とは
主にカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム
のことを指しこれらの含有量が味に大きく変化をもたらします。

カルシウム⇨適量であれば甘みを感じますが、多いと重たく感じやすくなります

マグネシウム⇨少なければ甘みを感じますが、多いと苦味・渋みが誇張されやすくなります。

カリウムナトリウム⇨多いと塩味を感じますが、少ないと甘みを感じます。


ちなみに日本の水道水は一般的に軟水のところが多いです。
一方、ヨーロッパや北米では硬水のところが多いです。

これは、大地を形成する地殻物質が異なることからで、
天然水は地中に染み込んだ雪や雨水が地層中で汚れやゴミを濾過し、
地層中のミネラルを吸い取って湧き出ている仕組み上、
国土が狭く地層に浸透する時間が短い日本と地層に接する時間が長い
ヨーロッパや北米とでは違いが出ているのです。

さらに日本の水道水は、pH値も7程度であることから
コーヒーを淹れるのに適していると考えられています。

pH値とは酸性とアルカリ性の強さを表す指標で、
pH7を下回るにつれ酸性が、pH7を上回るにつれアルカリ性が強くなります。

アルカリ性が強いとコーヒーの酸味を弱める作用があるので
あまりコーヒーには向いていないかと思われます。
ただよっぽど酸味が気になるときに使うとマイルドになります。

これらのコーヒーの風味への影響が本当なのか
実際に異なる硬度の水を使って同じ条件で
コーヒーを抽出して飲み比べを行ってみたいと思います。

異なる硬度の水で淹れたコーヒーの飲み比べ

今回は水の違いがわかるように、
コーヒーを淹れるレシピを統一させます。

コーヒー豆はブラジル トミオフクダ ドライオンツリーを淹れていきます。
この豆は全体的にバランスの取れた風味と完熟した果実の甘味が特徴のコーヒー豆となっています。


淹れ方については先日紹介した
“雑味のないクリーンカップなコーヒーの淹れ方”で淹れたいと思います。
詳しいレシピはこちらを参照ください↓

検証に採用した水は以下の4種類になります。

メーカーセブンイレブン
    天然水
サントリー
阿蘇の天然水
Évian
ミネラルウォーター
水道水
硬度2530304地域によって異なる
4種類の水による検証

セブンイレブン 天然水

ミネラル成分の含有量(100ml当たり)
・カルシウム 0.9mg
・マグネシウム 0.06mg
・カリウム 0.2mg

pH6.9⇨軟水

セブンイレブン 天然水 コーヒー 淹れてみた
セブンイレブンの天然水で淹れたコーヒー

口に含んだ時の口当たりが優しく
ライトな飲み口のため苦味が苦手な方でも飲みやすい印象を受けました。

ただこのライトな飲み口から
コーヒーらしさを求める方にはちょっと物足りないと感じるかもしれません。

酸味がほどよく口に広がるので、
酸味が特徴的なコーヒー豆を淹れるとしっかり風味が
際立って美味しいコーヒーを淹れることができると思います。

個人的にオススメしたいのはエチオピア イルガチェフェになります。

サントリー 阿蘇の天然水

ミネラル成分の含有量
・ナトリウム 0.7〜1.4mg
・カルシウム 1.2〜2.4mg
・マグネシウム 0.6〜1.1mg
・カリウム 0.3〜0.7mg

pH約7⇨中硬水

サントリー 阿蘇の天然水 コーヒー 淹れてみた
サントリー 阿蘇の天然水で淹れたコーヒー

セブンイレブンの天然水に比べると
ボディの重みを感じ、コーヒーらしさが出てきたように感じました。

酸味の強さも先ほどより少し抑えられたため、
全体的にバランスが良く、香りも広がり飲みやすかったです。

今回のトミオフクダ ドライオンツリーと相性が良いように感じました。

Évian ミネラルウォーター

ミネラル成分の含有量
・ナトリウム 0.7mg
・カルシウム 8.0mg
・マグネシウム 2.6mg

pH7.2⇨硬水

Évian ミネラルウォーター コーヒー 淹れてみた
Évian ミネラルウォーターで淹れたコーヒー

フランス製の硬水でコーヒーを淹れましたが
想像以上に味に影響があり驚愕でした。

同じ豆を淹れたのに、
酸味をほぼ感じずえぐみに近い苦味を強く感じました。

これは好みの問題もありますが、
自分的にはやはり軟水で慣れているためか衝撃的な印象でした。

水道水

水道水に含まれるミネラル成分は地域によって変動がありますが、
一般的に日本の水道水は軟水が多いというデータがあります。

実際に淹れてみて、
全体のバランスがとれていてボディもしっかりと感じ、
阿蘇の天然水に近い風味を感じました。

最後に

硬度の異なる水で飲み比べてみると、
普段から使っている水道水でも十分美味しいコーヒーを
淹れることができると感じました。

市販の水を使って淹れる場合には
表示されている硬度を確認してから購入することをオススメします。

酸味と苦味のバランスを求めるなら“軟水”、
パンチの効いたボディがしっかりしたコーヒーを求めるなら“硬水
とコーヒー豆によって使い分けてみるのもいいですね。

コーヒー 水による風味の影響を表したチャート

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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