天高くそびえ立つキリマンジャロ。
そこで育った最高級品のコーヒー豆。
そのお味はいかがなものなのでしょうか?
Contents
タンザニアのコーヒー生産について
キリマンジャロ自体はよく耳にするかと思われますが、
実際どこの国に位置するのかと聞かれるとパッと出てこないものです。
キリマンジャロはアフリカ大陸の“タンザニア”に位置します。
タンザニアでコーヒーの生産が始まったのはおよそ300年ほど前で、当時は知名度も無かったため一度イエメンに持ち込み、モカコーヒーとして出荷されていたのだとか。
では現在の人気にいたった理由は何だったのでしょう?
一説によるとキリマンジャロが題材となったある本が大ヒットしたことをきっかけに多くの人がキリマンジャロに関心を示し、やがてキリマンジャロの麓で栽培されているコーヒー豆にも注目が移ったと言われています。
日本ではキリマンジャロコーヒーはかなり有名なコーヒーとされていますが、実は世界的にはまだそれほど認識はされていないのが現実です。
もっと多くの人に知ってもらい飲んでみて欲しいものです。
キリマンジャロで育つコーヒー豆の特徴
タンザニアの北部に位置する山で、標高は5,895mとかなり高いのがわかります。
これほど高い標高によって昼夜の寒暖差が大きく、
実の引き締まった硬い豆が育ちます。
さらには香りも華やかという言葉では表しきれないほどの華やかさです。
昼夜の寒暖差もそうですが他にも
降水量も多いため水分を多く含んだ立派なコーヒー豆といった特徴も見られます。
ちなみに先ほどからキリマンジャロコーヒーと呼んでいますが、つい何年か前まではタンザニアで栽培しているすべてのコーヒー豆をキリマンジャロという名前で出荷していました。
しかし年月が経つに連れて、品質の高いコーヒー豆を栽培する農園が増えてきたため最近ではタンザニアの後に農園や地域の名前をつけて出荷するようになりました。
キリマンジャロと名付けられるコーヒー豆とは?
ではどんなコーヒー豆がキリマンジャロと名付けられるのでしょうか?
タンザニアは主にウォッシュド(水洗式)にてアラビカ種が生産されています。
一部の地域ではナチュラル式や、カネフォラ種を栽培していますがキリマンジャロと名乗ることができるのはこのウォッシュド式のアラビカ種のコーヒー豆のみになります。
その中でも高い品質のものだけがキリマンジャロの名前を名乗ることができるため味に定評があります。
タンザニアの等級について
タンザニアではコーヒー豆の品質(等級)はどうやって定められているのでしょうか?
正解は「スクリーンサイズ」によって定められています。
スクリーンとは生豆の大きさのことを指しており、
等級などを決まる際にはSと省略して記載されることがほとんどです。
ちなみに基準は以下のようになります。
S17(6.75mm)〜 =AA
S15(6mm)〜S16(6.5mm) =AB
つまり今回紹介している“キリマンジャロAA”は
一番大きなコーヒー豆のみが集められていることがわかります。
キリマンジャロAAの生豆の特徴
まず生豆の特徴から見ていきましょう。
・緑がかった色
・比較的大粒
・匂いが強い
・欠けて黒ずんだ豆が多く含まれている
一粒一粒が大きいため味がしっかり出る期待が膨らみますね。
こうしてみても分かるようにサイズのばらつきも少ないので
焙煎による煎りムラの心配も少ないように思われます。
焙煎からカッピングまで
キリマンジャロの最大の魅力である華やかな酸味を
なんとしても引き出してあげたいため焙煎は
浅めの中浅~中煎りを目安にしたいと思います。
予想通り煎りムラはほとんどなく焼き上げることができましたが、
水分を多く含んでいるため火が芯まで通るのに
少し時間がかかったように感じました。
また、一粒一粒が大きいからなのかハゼ音がハッキリと聞こえ
豆が見えていなくても焙煎度合いがわかりやすく
絶妙なタイミングを逃すことなく焙煎できました。
<焙煎に要した時間>
キリマンジャロAA 生豆時に130gを
ミディアムローストにて焙煎した際の時間になります。
1ハゼ開始 焙煎開始から 8:34
1ハゼピーク 10:03
2ハゼ開始 12:15
ミディアムローストが目標なので
2ハゼが始まったのを確認した時点で焙煎を終了しました。
しっかり芯まで火が通り、
コーヒー豆の風味を引き出せているか確認するために続いてカッピングを行います。
キリマンジャロAAのカッピング
このカッピングでは焙煎がしっかり行えているか、味の安定化などを調べたいため同じコーヒー豆を使って3個に分けてカッピングを行いました。
味を見る上でのポイントとしては3個のコーヒーのばらつきはないか、芯残りによるツーンとした嫌な風味はないかなどといった点に注意しながら味を確かめます。
味にばらつきは無く、酸味は感じましたがネガティブなものではなかったためこの焙煎で問題ないという判断になりました。
中々普段ドリップしたコーヒーとは風味が異なるのでカッピングは難しくはありますが少しずつ味の変化にも気付けるようになってきました。
キリマンジャロAAの美味しいいれ方
キリマンジャロAAをベストに淹れる抽出は“ハリオv60”にしました。
安定したドリップと味のコントロールできる点をかいました。
<レシピ>
コーヒー豆 16g
抽出量 300ml
抽出時間 2:05
湯温 83℃
キリマンジャロは酸味に特化したコーヒー豆で
あることから抽出に時間をかけずスムーズにドリップしました。
酸味があまり得意ではない人は逆にじっくり抽出を行い、
酸味とコクのバランスをとった風味に仕上げると飲みやすいかと思われます。
私も元々は酸味の強いコーヒーには苦手意識がありましたが、
このように質の良い酸味もあることを
感じてからは敬遠せずに飲めるようになりました。
このキリマンジャロも確かに酸味のあるコーヒー
と称されていますが、
爽やかな柑橘系の酸味なので非常に飲みやすかったです。