柔らかなライトな口当たりのコーヒーを生み出すエルサルバドルの環境や生豆の特徴、抽出レシピまでご紹介いたします。
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コーヒー生産国 エルサルバドルの特徴
グアテマラとホンジュラスの間に挟まれた中央アメリカに位置する“エルサルバドル”で栽培されるコーヒー豆はどんな特徴があるのでしょうか?
エルサルバドルの国土がおよそ2万㎢で、日本でいうと四国くらいの大きさになります。
これは中央アメリカでは最も小さい国と言われているほどの狭さです。
しかし人口はおよそ600万人と多く、人口密度の高い国でもあります。
そんなエルサルバドルの国土の大部分は標高の高い高地にあります。
赤道直下で暑すぎる気温はコーヒー栽培に向きませんが、この標高の高さのおかげで快適な温度でのコーヒー栽培がおこなわれています。
他にも火山灰性のミネラル成分を多く含んだ肥沃な土壌や日射量を調節するためにシェードツリーをコーヒーノキの横に植えたり様々な条件がそろって高品質なコーヒー豆を生産しています。
ちなみにこのシェードツリーは、最終的に腐葉土となり天然の良い土壌を作り出してくれる目的もあるのだとか。
こういった工夫もあって、エルサルバドルでは国内の農業生産の約30%。輸出総額の約50%がコーヒー豆とコーヒー豆の生産が国の経済を支えています。
同様の理由で国花も「コーヒーの花」が採用されています。
国内人口の約25%の人がコーヒー栽培に携わるほど需要の高い生産業なのですね。
エルマハワル農園とは?
エルマハワル農園は1936年に現農園主の曽祖父が始めた農園で、ソンソテナ県のロス・ナランホス山脈に位置する農園です。
この農園は3つの山に囲まれており、理想的なマイクロクライメット、コーヒー栽培に適した土壌を有しています。
環境だけでなく、完熟したコーヒーチェリーのみを収穫した後、再選別を行うことで熟度の均一化を図ったり、生産処理を終えた生豆をCOE国際審査員を務めるカッパーによって格付け・収穫日ごとに管理をするなど品質保持への取り組みにいそしんでいます。
コーヒー豆栽培はもちろんのこと、エルマハワル農園では環境保全にも力を入れており、敷地面積の約60%はコーヒー栽培を、残りの40%は自然のままの森林を維持しています。
参照サイト↓
https://www.tonya.co.jp/shop/g/g20235/
ブルボンってなに?
“ブルボン”とはコーヒーの品種のことを指します。
コーヒーの原種ともいわれているティピカがイエメンからブルボン島へ移入されたときに突然変異によって生まれたのがこの“ブルボン種”だと言われています。
このブルボンは、病害虫や霜に弱く、度々品種改良がおこなわれています。
豊かなコクと香りが持ち味で多くの人から定評をいただいています。
が、隔年収穫のため流通量が比較的少ないです。
見た目の特徴としては
・小粒で丸っこい
・S字のセンターカットが入っている
などが見られます。
エルサルバドルの等級
エルサルバドルでは標高によってグレード分けされています。
1200m〜 =ストリクトリー ハイ グロウン(SHG)
900m〜1200m =ハイ グロウン(HG)
標高は高いほど昼夜の寒暖差が生まれ、高品質なコーヒー豆ができることから高く評価されているのです。
生豆の特徴
まずなんといってもスペシャルティコーヒーの称号をもらっただけのことがあり、欠点豆が比較的に少ないです。
ハンドピックをしている際、ほとんどはじくことがなかったためより多くのコーヒーを楽しむことができます。
他にもエルサルバドル エルマハワル農園 ブルボンの生豆の特徴は、
・やや緑がかった色
・大きさは大きくも小さくもない標準的
・少し薄めの厚さ
・いびつな形のものはほとんどない
となります。
いい意味で目立った特徴がないため、焙煎に難は生じないかと思われます。
今回はせっかくのスペシャルティコーヒーなので、浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りの4つの焙煎度合ごとに焙煎し、カッピングを行なっていこうと思います。
焙煎からカッピングまで
統一性を保つため生豆時に100gを弱火にて焙煎を行います。
焙煎を止めるタイミングはそれぞれ、
浅煎り:1ハゼピークから終わりにかけて
中煎り:2ハゼが始まった時
中深煎り:2ハゼピーク時
深煎り:煙が立ち込んできた時
焙煎に要する時間や止めるタイミングは豆ごとに異なりますのであくまでも目安になります。
ここで注意です!
深煎りの焙煎をする際には、どうしても煙がモクモク出て匂いも広がるのでなるべく換気扇の真下で作業を行うなど配慮が必要となります。
自家焙煎を考えてる方は火災警報器が鳴らないように十分注意して焙煎を行なってください!
こちらのコーヒー豆をそれぞれカッピングして味を見比べていきます。
カッピングに必要な道具は、
・グラス
・スプーン
・スケール(タイマー付)
最低限この三つがあればカッピングをすることができます。
カッピングの方法についてはまた次の機会にご紹介させていただきます。
カッピングの結果
<浅煎り>
・酸味が爽やか
・冷えてくるとツーンとした味わい
<中煎り>
・突出した味わいは見られない
・飲み口はライトで、明るい酸味がほどよく残る
<中深煎り>
・ほんのり熟成したような香り
・口に含んだ時風味が広がりますが後に苦味が残る
<深煎り>
・焦げたような香り
・ネガティブな苦味が強い
カッピングの結果により中煎り、もしくは中深煎りによる焙煎度合いを推奨します。
特にスペシャルティコーヒーは酸味を味わってほしいところなので個人的には“ミディアムロースト”くらいがベストと思いました。
参考までに生豆時100g当たりの焙煎に要した時間を載せておきます。
1ハゼ開始 焙煎開始から7:18〜
1ハゼピーク 9:21〜
2ハゼ開始 11:42〜
2ハゼピーク 13:20〜
煙が立ち込める 13:50~
美味しい抽出レシピ
カッピングによって一番味の安定していた“ミディアムロースト”の抽出レシピをご紹介します。
<レシピ>
コーヒー豆 13g
抽出量 140ml
抽出時間 2:23
蒸らし 25~30秒
抽出器具 ハリオv60
普段よくフルシティくらい深めの味わい深いコーヒーを好んで飲んでいるので、このコーヒーを飲んだ時、軽くて柔らかい印象を受けました。
ポジティブな酸味とまろやかなコクがしっかりバランスをとっていて非常に飲みやすかったです。
あまり酸味を好まない方でも、ツーンとくる酸味ではないので飲みやすいかと思われます。
もちろんライトで爽やかなコーヒーが好きな方にもおすすめです。
こちらのコーヒー豆の販売をBASEにて行っております。
興味のある方はぜひお気軽にお立ち寄りください!