多くの火山に囲まれコーヒーを栽培するには
もってこいな土壌を有するグアテマラの最高級品
「グアテマラSHB」についてご紹介しています。
Contents
グアテマラのコーヒー生産
中南米に位置するグアテマラは、3000m級の火山を多く有しており国土のおよそ70%は火山に囲まれた山岳地帯となります。
ちなみにグアテマラの国土は日本の約3分の1ほどの広さです。
比較的国土の小さい国でありながらコーヒーの生産量は世界第10位とコーヒー生産大国です。
なぜここまでコーヒー生産量が多いのでしょうか?
推測される理由は火山にあります。
火山の近くの地域の土壌は多くが火山灰によってできています。
この火山灰によってできた土壌は非常に肥沃的でありコーヒーノキを育てるのに向いていることになります。
他にも高山地帯や北部の平地、険しい山脈など様々な条件の下でそれぞれに栽培が行われているためグアテマラ産のコーヒー豆は地域によって多種多彩な風味を味わうことができます。
グアテマラでは18世紀中頃に種が持ち込まれコーヒーノキの栽培が始まりました。
1969年には国内のコーヒーの品質向上と生産管理のために生産者と輸出業者によって運営される『グアテマラ全国コーヒー協会(通称 ANACAFE アナカフェ)』が設立されました。
アナカフェは気候や生産体制に関する研究や農園の把握・管理、生産者の教育や世界に向けたマーケティングを通して、国内のコーヒーに関するブランディングや品質の向上などを執り行っています。
主な生産地
・アンティグア
・アティトラン
・サンマルコス
・コバン
・ウエウエテナンゴ
・フライハーネス
・ニューオリエンテ
・アカテナンゴ
上記の8つの地域でのコーヒー生産が中心となっています。
“アンティグア”は昔から生産に定評のある地域で絶好の自然条件から品質の高さによって根強いファンが多く存在します。
しかし最近では“ウエウエテナンゴ”が注目されはじめています。
この地域は国内でも特に肥沃な火山灰土壌に恵まれているためコーヒー生産にもってこいな環境が整っているわけです。
以前グアテマラ アンティグアのコーヒー豆を紹介した記事を書いていますので「飲んでみたい」など興味のある方は下のリンクよりぜひご覧ください。
等級の評価方法
生産国ごとにコーヒー豆のグレードの評価方法は異なりますが、グアテマラでは「標高の高さ」によってグレード分けが行われています。
標高は高いほうが高品質と見なされます。
これは高い位置で栽培されたコーヒー豆のほうが酸味が優れ、コクとのバランスが取れた風味になることから定められています。
その評価方法は以下のように決められます。
標高
1350m〜
「SHB(ストリクトリー ハード ビーン)」
1200m〜1350m
「HB (ハード ビーン)」
1050m〜1200m
「SH (セミ ハード)」
900m〜1050m
「EPW(エクストラ プライム ウォッシュド)」
750m〜900m
「PW(プライム ウォッシュド)」
600m〜750m
「EGW(エクストラ グッド ウォッシュド)」
〜600m
「GW(グッド ウォッシュド)」
かなり細かく区切られている印象がありますが、このわずかな差でコーヒー豆の風味は大きく変わると考えると感慨深いものですね。
グアテマラSHBの生豆の特徴
ではそんなグアテマラSHBの生豆の特徴を捉えていきましょう。
グアテマラSHBの生豆の特徴は以下になります。
・緑色
・サイズは大きいものから小さいものまで様々
・少し肉厚
・表面の凹凸は少ない
以上の特徴から深めの焙煎(フルシティローストからフレンチローストまで)
が適していると考えられます。
私も焙煎を始めたばかりの頃はグアテマラSHBは深煎りでという概念が強かったのですが、実は中煎り(ハイロースト)でも爽やかな酸味が足されてまた違った一面を見ることができます。
今回は中深煎り・深煎りの2つの焙煎度合による風味の変化をカッピングしていきましょう。
焙煎からカッピングまで
焙煎には初心者の方でも簡単に扱うことができ、
焼きムラのない焙煎が可能な“アウベルクラフトの焙煎キット”を使用します。
統一性を保つため生豆時に100gを弱火にて焙煎を行います。
焙煎を止めるタイミングはそれぞれ、
中深煎り:2ハゼピーク時
深煎り:煙が立ち込んできた時
焙煎に要する時間や止めるタイミングは豆ごとに異なりますのであくまでも目安になります。
ここで注意です!
深煎りの焙煎をする際には、どうしても煙がモクモク出て匂いも広がるのでなるべく換気扇の真下で作業を行うなど配慮が必要となります。
自家焙煎を考えてる方は火災警報器が鳴らないように十分注意して焙煎を行なってください!
こちらのコーヒー豆をそれぞれカッピングして味を見比べていきます。
カッピングに必要な道具は、
・グラス
・スプーン
・スケール(タイマー付)
最低限この三つがあればカッピングをすることができます。
カッピングの方法についてはまた次の機会にご紹介させていただきます。
カッピングの結果
<中深煎り>
・深みのある苦味を強く感じ、パンチのある印象
・後味は甘く、やわらかい口当たり
<深煎り>
・焦げたような香り
・酸味は感じず、ビターな味わい
・後まで続く苦味
ちなみに焙煎に要する時間を参考までに記載します。
生豆時に125gをフレンチローストで焙煎した際の時間になります。
1ハゼ開始 焙煎開始から8:10〜
1ハゼピーク 11:00〜
2ハゼ開始 14:30〜
2ハゼピーク 15:30〜
焙煎は2ハゼピークと同時に終了したので15:40でザルにあげました。
美味しい抽出レシピ
グアテマラSHBの抽出のレシピは、ホットとアイスの2種類ご紹介したいと思います。
私は毎回どちらにしようか頭を抱えるほど悩んでしまうほど優秀なコーヒー豆ですのでぜひ参考までにご覧ください。
グアテマラSHB〜ホットコーヒーver〜
コーヒー豆 20g
お湯 290ml
抽出時間 2:49
蒸らし 30秒
抽出器具 Kalita 3つ穴式
グアテマラならではの深いコクと後からくる優しい甘みがしっかり抽出されました。
グアテマラのコクをより楽しむならフレンチローストでKalitaのじっくり抽出を行うと際立って美味しくいただくことができます。
グアテマラSHB〜アイスコーヒーver〜
コーヒー豆 14g
お湯 110ml
抽出時間 1:29
蒸らし 35秒
抽出器具 ハリオv60
急冷アイスコーヒーはグアテマラの苦味を活かした飲みごたえのある風味になります。
複雑な風味がより深みを増して感じるため私はアイスコーヒーでの飲み方を推奨しています。
他にも、コールドブリューコーヒーにしても口当たりがクリアになり飲みやすくなりますのでこちらもおすすめです。
<コールドブリューコーヒーのレシピ>
コーヒー豆 80g
水 1100ml
抽出時間 8時間
抽出器具 ハリオ コールドブリューコーヒージャグ水出し CBS-10HSV
グアテマラは甘みを兼ね備えていることから
ホットでもアイスでも“ミルク”や“チョコ”などとの相性が良いです。
そのため“カフェオレ”や“モカコーヒー”などの
アレンジコーヒーにして楽しむのも気分転換にどうでしょうか?。
最後までお読みいただきありがとうございました。