優しくマイルドなコクが午後のゆっくりとした一時にぴったりの一杯を演出してくれる。
そんなコーヒーはいかがですか?
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コロンビアのコーヒー生産
中南米に位置するコロンビア。
コロンビアでは標高5000mを超えるアンデス山系のふもとでコーヒーの生産が行われています。
国土の3%がコーヒー農園と言われており、生産のほとんどが標高1000〜2000mの山の急斜面に位置している小規模農園であります。(国内コーヒー農園の70%がこの条件で栽培しているとか…)
この山の急斜面というのはかなり険しい道のりで、収穫は人の手で一粒一粒手摘みによって丁寧に収穫されています。
さらに、収穫したコーヒー豆を運ぶ手段もかなり険しい山岳地帯ということだけあって、自動車ではなくロバを使ってコーヒーの麻袋を運んでいます。
こんな条件下ではありますが、コロンビアのコーヒー生産量はブラジル・ベトナムに次ぎ、世界第3位になったこともあるほどの生産国なのです。
ではなぜこれほどまでに生産が盛んに行われているのでしょうか?
~コロンビアコーヒーの生産を支える縁の下の力持ち?~
コロンビアでは1972年から「コロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)」を設立しました。
この連合会とは、国内のコーヒー生産から流通までを管理し、コーヒー生産を支えています。
具体的にどのような活動を行なっているかと言うと、
・シェードツリーを利用した栽培
・ハンドピックによる収穫
・水の利用を抑えるための小規模農家用の最新機器の導入
・苗木や肥料の提供
・農薬の管理
・栽培方法の講座
・出荷される生豆の最終チェック
などFNCから派遣されてくるアドバイザーの指導のもと品質維持を徹底して行われています。
国内のコーヒー農園の生産者は全てこのFNCに加盟することが義務付けられているためコロンビアのコーヒー豆は全て高品質を保たれ、最近ではスペシャルティコーヒーへの取り組みも積極的に行われています。
コロンビアの主なコーヒー生産地
およそ日本の国土の3倍の広さを持つコロンビアでは大きく分けて3つの地域によってコーヒーの生産がおこなわれています。
<北部地方>
標高はそれほど高くありません。そのため日によく当たるので段差によって日陰を作りコーヒーノキを守ります。
⇨柔らかな酸味やナッツのような香ばしさを持つ
<中部地方>
雨季と乾季が混じった気候によって年間を通じて新鮮なコーヒー豆を収穫することができるので収穫量が安定している。
⇨フルーティでスッキリとした味わい
<南部地方>
赤道に近く、標高も高く気温の低い地域で栽培されている。
⇨マイルドなコク、柑橘系を思わせる甘い酸味
地方によって様々な特徴を持ったコーヒー豆ができます。
スプレモって何?
これはコロンビアのコーヒー豆のグレードを表すもので、コロンビアでは出荷する際のコーヒー豆の“スクリーンサイズ”によって評価されます。
もうご存知の通りとは思いますが、スクリーンサイズとは生豆の大きさのことで、大きい豆ほど高品質であると評価されます。
スクリーンサイズの記載は64分の1インチ刻みのサイズ分数であらわされます。
評価基準は、(以下よりスクリーンサイズはSとあらわす)
S17(6.75mm)~ ⇨「スプレモ」
S14(5.5mm)~S16(6.5mm) ⇨「エクセルソ」
となります。
つまり“スプレモ”とは一番大きいサイズのことで高品質なコーヒー豆であるというわけです。
コロンビアスプレモの生豆の特徴
まずはコロンビアスプレモの生豆の特徴を捉えていきましょう。
生豆の色や厚さ、大きさなどによっておおよそ焙煎度合いを見極めることができます(種類によっては当てはまらないものもあるため一概には言えません)。
コロンビアスプレモの生豆の特徴は、
・肉厚
・薄い緑色
・比較的大きい
・キレイな楕円型のものが多い
以上のことがわかります。
この特徴から深めの焙煎、“フルシティロースト(中深煎り)”くらいがいいと考えられます。
では実際に中煎り、中深煎りの2種類の焙煎を行いそれぞれをカッピングして味を比べてみたらどんな違いがみられるでしょう?
焙煎によるカッピング
焙煎には初心者の方でも簡単に扱うことができ、焼きムラのない焙煎が可能な“アウベルクラフトの焙煎キット”を使用します。
焙煎度合いごとにカッピングを行いベストな焙煎度合いを見つけたいと思います。
焙煎度合いは先ほど言った、中煎り・中深煎り の2種類を比べていきたいと思います。
統一性を保つため生豆時に100gを弱火にて焙煎を行います。
焙煎を止めるタイミングはそれぞれ、
中煎り:2ハゼ開始時
中深煎り:2ハゼピーク時
焙煎に要する時間や止めるタイミングは豆ごとに異なりますのであくまでも目安になります。
こちらのコーヒー豆をカッピングしていきます。
カッピングに必要な道具は
・グラス
・スプーン
・スケール
最低限この3つがあればカッピングを行うことができます。
カッピングの手順や風味の評価方法についてはまた次の機会にご紹介させていただきます。
ではさっそくカッピングしていきましょう。
カッピングの結果
<中煎り>
・初めのうちは全体的なバランスも良かったですが、時間が経過すると酸味が目立った
・ドライ時の香りがナッツのような香ばしさ
<中深煎り>
・濃厚な香り
・深みのあるコクとマイルドな口当たり
コロンビアスプレモは中煎り、中深煎りどちらがいいと一概には言えない結果となりました。
あっさりとしたフルーティーなコーヒーが好みの方には“中煎り”、飲みごたえのある深い味わいが好みの方には“中深煎り”をおすすめします。
ちなみに参考までに生豆時123gのコロンビア スプレモを弱火でフルシティローストで焙煎した時に要した時間を記載しています。
<焙煎に要した時間>
1ハゼ開始 7:40〜
1ハゼピーク 8:35〜
1ハゼ終了 9:40〜
2ハゼ開始 10:15〜
2ハゼの音が聞こえはじめてからピークになる直前で止めました。(焙煎開始から11:20ほど)
美味しい抽出レシピ
コロンビアスプレモを抽出する際に、一杯淹れよりも二杯淹れのほうが味の安定感が強く、マイルドなコクがより感じれたことから二杯淹れの抽出レシピをご紹介させていただきます。
<抽出レシピ>
コーヒー豆 20g
抽出量 300ml
抽出時間 3:13
蒸らし 30秒
抽出器具 ハリオv60
<味の5段階評価>
酸味★★★★☆
苦味★★★☆☆
甘味★★★★☆
コク★★★★☆
香り★★★☆☆
しっかりとコクを感じるがマイルドさもあって非常に面白いコーヒーです。
芯まで焼き上げれば爽やかな酸味が優しい味わいを足してくれます。
コロンビアスプレモのマイルドさやなめらかな口当たりをより感じたい方には“ネルドリップ”での抽出を推奨します。レシピは以下になります。
コーヒー豆20g
抽出量 250ml(92℃)
抽出時間 3:22
蒸らし 30秒