美味しいコーヒーを提供する上で欠かせない重大な作業の1つがハンドピックになります。
このハンドピックがきちんと為されているかによって味の良し悪しが変わってきます。
ここでは多大な時間と労力をかけてでも排除しなければならない「欠点豆」の見極め方についてご紹介します。
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欠点豆とは??
まず焙煎をする前に、生豆を1つひとつ形や色などに異常がないか確かめます。
形や色などに異常がある豆を「欠点豆」と言いますが、これを取り除かないと淹れたコーヒーに渋みや嫌な酸味などのネガティブな影響を及ぼしてしまいます。
特にハンドピックを一切しないコーヒーでは渋みを感じることが多いです。
また焙煎を行った後も、最後の仕上げにハンドピックを再び行います。
これは焙煎をしたことによって欠けてしまったりするコーヒー豆が出るため必要な工程になります。
また見落としてしまった「死豆」、「石ころ」などもここで確実に取り除いておきます。
ただ、実際に体験してみて感じましたが、1000〜2000gの量の生豆を1つひとつ丁寧にハンドピックするのにはかなりの労力と集中力を使います。
入念なチェックをしたいため、必ず2回以上ハンドピックを行いますが、初めて2000gのハンドピックをしたときは心が折れそうになりました…。
そうやって丁寧に取り除いてもらっているからこそ美味しいコーヒーを飲むことができていると思うと、さらにコーヒーが美味しく感じるので不思議ですね(笑)
コーヒー豆の種類や生産国によりますが、大体全体の1割から多くて2割ほど欠点豆が含まれている印象を受けます。
欠点豆の種類一覧
そんな欠点豆の中にもいくつかの種類があります。
この種類ごとにコーヒーに与える影響が異なるため1つずつ紹介していきます。
初めてハンドピックを行うそこのあなた!
どんな豆が欠点豆なのか分からなくなってしまいますよね。これを参考にしていただくと嬉しいです。
<欠けた豆>
運搬、精製などによる振動でどうしても割れてしまったり、欠けてしまう豆が生じます。
これらの欠豆は、実はコーヒーの風味に悪影響を与えることはありません。
しかし、いびつな形によって火の通りが均一ではなくなりムラができてしまうため取り除く必要があります。
<潰れた豆>
どこかの工程で踏まれたりしたことによって潰れてしまった豆を指し、こちらも風味への悪影響はありませんが、焼きムラ防止のために取り除きます。
<発酵した豆>
精製を行っている過程で、例えばウォッシュト式であれば発酵用の水槽に長く漬けすぎてしまっていたり、水槽の中の水の汚れが豆の内部に入り込み発酵してしまった場合に生まれます。
これらの豆が混入したままコーヒーを淹れてしまうとツーンとする刺激的な渋み、酸味が混ざってしまうため必ず取り除きます。
<貝殻豆>
運搬までの過程において強い振動を受け中身が抜けて落ちてしまった豆のことを指します。
こちらはコーヒーの風味に悪影響を与えることはありませんが、他の豆に比べて中身が無い分薄くて焦げやすいため取り除いておくと焼きムラを防ぐことができます。
<虫食い豆>
実はよく見てみると結構混ざっているのがこの虫食い豆です。
名前で分かる通り虫が食べたことによって穴が空いている豆のことで、さらにその食べられた穴からカビが発生しやすくなっています。
そのため取り除かないとひどいときはカビ臭がしたり、雑味が混ざっているコーヒーになってしまうためこちらも必ず取り除きましょう。
<死豆>
通常の生豆はグリーンビーンズと呼ばれて、精製後も植物らしい瑞々しさを持っています。
死豆は完全に生気が抜けてしまい、白っぽくなった生豆を指します。
焙煎後も色が変わりづらく、他の豆と比べると浮いています。わかりやすい欠点豆ではありますので確実に取り除いておきましょう。
<未成熟豆>
生育不良で綺麗な形になれなかった豆で歪な形をしており、一見すると異物のように見えることもあります。
青臭く、えぐみがある味のもとになりますので、必ず取り除きましょう。
<ピーベリー>
通常のコーヒーノキの種子は2つ1組で入っておりますが、ピーベリーはこれが1つしか入っていなかったもので、丸い形をしております。
ピーベリー自体の風味に問題があるわけではありませんが、焼きムラの元になるためハンドピックの時点で取り除いておきます。
<カビ豆>
カビ豆とは青色や白色のカビが付着していたり、カビ臭がひどい豆のことを言います。
このようなカビ豆を取り除かなければコーヒーがカビ臭くなり、元のコーヒーの味が如何に美味しくても飲めたものではなくなってしまいます。
他にも発酵しきって真っ黒になった豆や逆に栄養が足りなく真っ白な豆、異物(小石やトウモロコシ)などの欠点豆がありますが、主に一般的に欠点豆の多くを占めているのが上記の豆の種類になります。
美味しいコーヒーのために1つずつ丁寧に取り除いてあげましょう。
焙煎後の欠点豆
焙煎後の欠点豆たちです。
生豆の状態であれほど入念にハンドピックを行ったから問題ないんじゃないか、と思うかもしれませんが、味を決めるうえで重要な作業になりますので必ず行います。
ここでは欠けた豆や焼きムラがないかをメインにチェックしていきます。
<貝殻豆>
これは貝殻豆を焙煎したもの、もしくは焙煎中に貝殻になった豆です。
焼きムラはなく、味にも問題はありませんが、見た目の問題上取り除きます。
店の方針によっては取り除かないところもあるようです。
私自身も自分用で焙煎した際は取り除きません。
<割れ豆・形の悪い豆>
焙煎中に割れてしまった豆や色や形が悪く味を損ねる可能性があるような豆は一切を取り除きます。
ここでは妥協しません。
たった1つの欠点豆で、カップの良し悪しが決まることを常に頭の中に入れておきます。
実際に焙煎したものを飲んでみた
念入りに1つずつ丁寧にハンドピックして欠点豆を取り除いた生豆たちを焙煎し、さらにハンドピックを行いここまできました。
これは焙煎から二日置いたものです。
今回焙煎した豆は“グアテマラ アンティグア”になります。
<レシピ>
コーヒー豆 18g
お湯 270ml(91°)
抽出時間 2:56(内蒸らし30秒)
抽出器具 ハリオv60
コクと酸味のバランスを取り香りを引き立たせるため2ハゼピーク時直前で焙煎を止め、
フルシティローストにしました。
フルーティな酸味を楽しみたい時はミディアムに
もっとコクのある風味にしたい時にはフレンチローストにしても
美味しいコーヒーです。
自宅で焙煎するなら
コーヒーにハマればハマるほど何でも自分でしたくなるものです。
その一つに「焙煎」が挙げられます。
匂いや煙などの問題があり自宅での焙煎が厳しい環境の方もいらっしゃることと思われます。
そこで最近では家庭用の焙煎機の普及が進んでいます。
家庭用の焙煎機でオススメなのは「Gene cafe(ジェネカフェ)」です。
最先端の技術を元に世界唯一の3D回転方式を採用した焙煎機となっています。
温度・時間をダイヤルで設定すれば後は焙煎→冷却まで自動で行ってくれるので簡単にコーヒー豆を自宅で焙煎することができます。
焙煎で一番大変であるチャフの掃除も“チャフコレクター”に集められるためまとめて捨てるだけとお手入れも楽です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。