コーヒー豆は出荷される前にそれぞれ等級(グレード)といって
生豆の品質を評価されます。
この評価方法は国ごとによって異なります。
今回はその国ごとの評価方法に着目していきます。
収穫したコーヒー豆にグレードをつけることによって、
その豆の品質が一目でわかり、購入者はそれを参考にコーヒー豆を選びやすくなります。
Contents
等級(グレード)の評価方法
生産国によって評価方法は異なりますが、主な評価方法は大きく分けて3つになります。
まず1つ目が標高の高さで決めるグレードです。
これは言葉の通り、コーヒー豆を育てた産地の標高の高さでグレードを決める方法で、この標高が高ければ高いほど品質も高くつけられます。
なぜなら標高が高いところでは、昼夜の寒暖差が大きく涼しい場所で栽培されたコーヒーは実がゆっくりと熟すため風味が豊かになるため高い評価をつけられます。
続いて2つ目がコーヒー豆の大きさによってグレードをつける方法です。
生豆のサイズのことを「スクリーン」と呼び、
このスクリーンサイズが大きいほど高品質であると評価されます。
スクリーン数は64分の1インチ刻みのサイズ分数で測っています。
そして最後に3つ目が欠点豆の数で評価する方法です。
欠点数は味に悪影響を及ぼす欠点豆がサンプル中にどれだけ混入しているのかを点数化したもので、欠点豆は主に未熟豆や異物、貝殻豆などがあります。
この欠点豆の種類によって点数が決められており、その合計点や割合によってグレードが決められます。
当然ながら点数が低いほうが質の高いコーヒー豆です。
国ごとの評価方法について
これを踏まえた上で生産国ごとの評価方法をご紹介していきます。
<ブラジル>
主にスクリーンサイズと欠点数、カップテストによってグレード分けされます。
このように何種類かの評価方法を組み合わせた評価方法もあります。
例えば、ブラジル サントス No.2 S19 ストリクトリーソフトという豆についてです。
No.は300g中の欠点豆の数を表しており、Sはスクリーンサイズの略です。
最後のストリクトリーソフトはカップテストの結果です。
つまりブラジル サントス No.2 S19 ストリクトリーソフトというのは、ブラジルのサントス港から出荷されたNo.2のスクリーンサイズ19でカップ評価最高の豆ということです。
ちょっとややこしいですね(笑)
No. | 300g中の欠点数 |
2 | 4点以下 |
3 | 8点以下 |
4 | 26点以下 |
4.5 | 36点以下 |
5 | 46点以下 |
6 | 86点以下 |
7 | 160点以下 |
8 | 360点以下 |
欠点数については、混入物によってそれぞれ点数が決められています。
例えば小さい石ころで1点、貝殻豆3個で1点といった形です。300g中の合計点数で上のNo.が格付けされます。
スクリーンサイズについては以下の表のとおりです。
S20 | 8mm |
S19 | 7.5mm |
S18 | 7mm |
S17 | 6.75mm |
S16 | 6.5mm |
S15 | 6mm |
S14 | 5.5mm |
S13 | 5mm |
カップテストの評価は以下の通りです。
ストリクトリーソフト | 十分になめらかで甘みがある |
ソフト | 異味異臭がなく、やわらかい印象 |
ハード | 青臭いような酸味や渋みがあり、舌触りが悪い |
リオイ | 薬品のようなにおいをもつ |
リオ | リオイよりもさらに薬品のようなにおいをもつ |
<コロンビア>
スクリーンサイズによってグレード分けされます。
等級(グレード) | スクリーンサイズ |
プレミアム | 18(7.2mm) |
スプレモ | 17(6.8mm) |
エクストラ | 16(6.4mm) |
ヨーロッパ | 15(6.0mm) |
UQG | 12〜14(4.8〜5.6mm) |
マゴラジッペ | 17(6.8mm) |
カラコル(ピーベリー) | 12以上(4.8mm以上) |
<グアテマラ>
標高によってグレード分けされます。
等級(グレード) | 標高 |
ストリクトリー ハード ビーン(SHB) | 4500フィート以上 |
ハード ビーン(HB) | 4000〜4500フィート |
セミ ハード ビーン | 3500〜4000フィート |
エクストラ プライム ウォッシュト(EPW) | 3000〜3500フィート |
プライム ウォッシュト | 2500〜3000フィート |
グッド ウォッシュト | 2000フィート以下 |
<エルサルバドル>
標高によってグレード分けされます。
1200m〜 =ストリクトリー ハイ グロウン(SHG)
900m〜1200m =ハイ グロウン(HG)
<ニカラグア>
標高によってグレード分けされます。
1500m〜 =ストリクトリー ハイ グロウン(SHG)
1300m〜1500m =ハイ グロウン(HG)
1000m〜1300m =ミディアム グロウン(MG)
500m〜1000m =ロー グロウン(LG)
<コスタリカ>
標高によってグレード分けされます。
1200m〜1700m =ストリクトリー ハード ビーン(SHB)
1000m〜1200m =ハード ビーン(HB)
<ホンジュラス>
標高によってグレード分けされます。
1200m〜 =ストリクトリー ハイ グロウン(SHG)
900m〜1200m =ハイ グロウン(HG)
<メキシコ>
標高によってグレード分けされます。
1600m〜 =ストリクトリー ハイ グロウ(SHG)
1000m〜1600m =ハイ グロウ(HG)
700m〜1000m =プライム ウォッシュド(PW)
<ジャマイカ>
スクリーンサイズと欠点数によってグレード分けされます。
S17(6.75mm)〜S18(7mm)
+
0〜2% =No.1
S16(6.5mm)〜S17(6.75mm)
+
0〜2% =No.2
S15(6mm)〜S16(6.5mm)
+
0〜2% =No.3
S16(6.5mm)〜S17(6.75mm)
+
3〜4% =トリエイジ
<エチオピア>
300g中の欠点豆の数によってグレード分けされます。
等級(グレード) | 欠点豆の数 |
G1 | 0〜3個 |
G2 | 4〜12個 |
G3 | 13〜27個 |
G4 | 28〜45個 |
G5 | 46〜90個 |
<タンザニア>
スクリーンサイズ、欠点豆の混入率によってグレード分けされます。
S17(6.75mm)〜 =AA
S15(6mm)〜S16(6.5mm) =AB
AAの条件
・割れ豆、エレファント2%以内。
・死豆1%以内。
・黒豆、未成熟豆なし
<ケニア>
ケニアの等級は基本的にはスクリーンサイズによってグレード分けられます。
あとはペーベリーや割れ豆などのプラスアルファです。
等級(グレード) | スクリーンサイズ |
AA | スクリーン17〜18 |
AB | スクリーン15〜16 |
C | スクリーン15未満 |
PB | ピーベリー(丸い豆) |
TT | 小さく軽い豆 |
T | 割れ豆、豆の破片 |
<インドネシア>
300g中の欠点豆の数によってグレード分けされます。
インドネシアはエチオピアと同じG1〜G5の五段階評価になっています。
しかしインドネシアではいくつもの小さい農家からコーヒー豆を集めて、格付けを行うため品質にばらつきが出てしまいます。
そのためグレードに対する欠点豆の数はエチオピアよりもかなり緩いです。
等級(グレード) | 欠点豆数 |
G1 | 0〜11個 |
G2 | 12〜25個 |
G3 | 26〜44個 |
G4 | 45〜80個 |
G5 | 81〜150個 |
<ハワイ>
スクリーンサイズと欠点数によってグレード分けされます。欠点数は1ポンド約453g中で評価されます。
S19(7.5mm)〜
+
0〜10個 =エクストラ・ファンシー
S18(7.1mm)〜S19(7.5mm)
+
11〜16個 =ファンシー
S16(6.5mm)〜S18(7.1mm)
+
17〜20個 =No.1